よく食べる子だった
とにかくよく食べました
ごはんの時間はいつも真剣で 器に顔をうずめてしっかり食べる
おかげで 4.5kg くらいの堂々とした体つきになりました

ユリとカナ
黒猫の姉妹
横須賀からふたりの黒猫がうちにやってきました
ユリとカナ。僕がはじめて家で一緒に暮らした猫たちです
ユリとカナは横須賀の多頭飼育崩壊から救出された保護猫でした
93匹の猫がひしめいていた場所から連れ出されて 姉妹そろってうちにやってきました
2020年9月18日のことです。僕が家で一緒に暮らしたはじめての猫たちでした
生まれた日は分かりません
来たときに「推定2歳くらい」と言われたので
その2年前の9月18日をふたりの誕生日ということにしました
ふたりともここへ来る前の暮らしの跡が体に残っていました
ユリは風邪の後遺症で左目が見えず カナは病気の影響で右目が不自由でした
それでもふたりはよく食べてよく寝てよく遊びました
Yuri
とにかくよく食べました
ごはんの時間はいつも真剣で 器に顔をうずめてしっかり食べる
おかげで 4.5kg くらいの堂々とした体つきになりました

横になるのが下手な子で 寝るたびに「ドテン」と音が鳴りました
毎回きっちり鳴るのでそのたびに笑ってしまいました

普段は撫でさせてくれない子でした
それがたまに気が向いたときだけお腹を撫でさせてくれる
その「たまに」がうれしかったです

Kana
大人になっても 3キロくらいの小さな子でした
ユリの隣に並ぶとひとまわり小さい
そのぶん身軽でひょいと膝に乗ってきました

右目はいつも閉じたままでした
毎日目のまわりを拭いてあげるとすこし嫌がりながらもじっとしていてくれます
片目でもちゃんとこちらを見ていました

椅子に座って膝を手でポンポンと叩く
それだけでとことこ歩いてきて膝の上に乗ってくれました
あの重さとあたたかさを覚えています

寝っ転がってうんと背伸びをして お腹を撫でてもらうのが好きでした
撫でているあいだずっと体をのばしたままでいるのです

来たばかりの数日で思わずたくさん撮りました。ピンクのマットの上がふたりの最初の居場所でした
この数日の写真がいちばん多く残っています
うれしくてずっと撮っていました
よく寝てよく食べていつもふたりくっついていました。日なたとやわらかいところが好きでした
気づけばふたりがいるのが当たり前になっていました
朝も昼も夜も
写真を見返すといつもどこかにふたりがいます
たいてい くっついて眠っています
おなじ部屋で おなじ日なたで
ふたりはずっとくっついていました
季節がめぐっても
ふたりの距離は変わりませんでした
日なたとあたたかいところ
好きな場所はふたりとも同じでした
ユリ
727 日カナ
1,156 日数えたらそんなに長くはありませんでした
でも思い出はこのとおり数えきれないくらいあります
ユリ
—
脳腫瘍でした
さきに虹の橋を渡っていきました
カナ
—
猫エイズでした
ユリのあと一年二か月がんばって
同じ橋を渡っていきました
いまはきっと虹の橋のむこうで
またふたりくっついて眠っていると思います
いまもふたり並んで
うちにいます
ユリ、カナ
うちに来てくれてありがとう
片目が見えなくてもふたりはちゃんと僕を見ていました
苦しいときや孤独を感じていた時も
ふたりはずっとそばにいてくれたね
膝の上の重さも
「ドテン」という音も
ずっと覚えています
ここに来ればまた会えるから
あえてさよならは言わないよ
それじゃ
またね